キャンペーンの主旨

a0235164_2352646.jpgイタリアから、ヨーロッパから、
   日本の『脱原発』への
           願いを込めて


 福島原発事故を他山の石とし、昨年6月の国民投票で脱原発を宣言したイタリア。
そこに住む日本人有志の呼びかけで、 口コミを頼りに繋がった欧州12カ国に住む約160人の邦人が、日本政府に『脱原発』政策の実現を求める嘆願書に署名、昨夏に続き、今年3月、首相官邸に提出しました。
 そんな私たちの切実で切迫した思いとは裏腹に、よりにもよって3月11日、一刻も早い再稼働へと舵を切る意思を表明をした野田首相。
 このキャンペーンは、3.11一周年を区切りにひとまず終了しましたが、とてもブログを閉じられるような状況ではなさそうです。
 でも、もし、日本国内外の市民の力で再稼働を阻むことができれば、5月初めには北海道泊原発3号機が定期点検に入り、日本国土に存在する原発54基が全部止まるのです。そして、事実上の『脱原発』がスタートする。
考えてみれば、まさに今年、2012年こそ、日本にとっての運命の分かれ道、真の正念場なのかもしれません。 そんな祖国に遠くから思いを馳せる私たちに、できることは? 今後のアクションのアイディアを求めています。
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嘆願書と署名活動

 遠く離れた肉親や友人たちへの危惧や、国民の大多数が望まない原発依存に固執する政界への義憤、
周囲の親日家イタリア人たちが安心して訪日できるようになどなど、賛同者の思いは様々です。
 でも、日本が生き残れるためには、自分たちも黙っていちゃいけない、今こそ、声を上げなければ、という切迫した思いは、みんなに共通しています。

 当初、長崎原爆記念日の直後に予定していた提出は、菅首相の退陣宣言と民主党代表選で生じた
政治的空白のために一度延期を余儀なくされましたが、8月25日に首相官邸宛て書留で届けたほか、
菅首相のプライベートメールにも送信、同時に民主党代表選挙に立候補した「次期首相候補」に
メールとファックスでコピーを送りました。だれが首相になっても、危機的な状態、そして、
私たちの、「原発に依存しない社会」への切実な願いは変わらないからです。
 そして、第二次締め切り9月11日までに集まった140名の賛同署名は、イタリアから野田新内閣総理大臣宛てに首相官邸へ国際速達書留で郵送、受領されました。
 一方、国内外でますます強くなる脱原発指向を無視して、国連で臆面もなく原発の安全を謳った
日本政府の代表。
 また、「原発の再稼働なしには、電気料金値上げは不可避」と、原発推進派は、新しい「嘘」で
盛り返しを図っています。
 脱原発を求める市民運動の正念場は、まさにこれからだと言えましょう。
 私たちは、他の大陸でも同じような動きがどんどん生まれることを、心から願っています。

嘆願書の文面





2011年3月11日、日本は未来永劫忘れることのできない一日を体験した。
東北の大地が揺れ、未曾有の津波が多くの命を永遠に流し去った。
そして、福島では、日本に新たな「核」の深い傷を刻む、第三の悲劇が始まっていた。

**

三ヶ月後、イタリア。

―イタリアは原発にさよならを言わねばならないだろう―
第81代閣僚評議会議長 シルヴィオ・ベルルスコーニ

2011年6月13日は、イタリアにとって国と国民の将来を決める、運命の日となった。
国民投票の結果、イタリアの人々は原発に「さよなら」を言ったのである。


一ヶ月後、日本。

―(日本は)原発に依存しない社会を目指すべき…
…将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく―
第94代内閣総理大臣 菅直人


2011年7月13日は、日本の国と国民の将来を決める、新たな始まりの日となるのだろうか?

日本の人々も、原発に「さよなら」を言うのだろうか?

それとも「これからも、よろしく」と言うのだろうか?

***

日本国政府に「脱原発」政策の実現を求める公開嘆願書

内閣総理大臣 野田佳彦  殿


 私たちイタリアに在住する日本人有志は、第94代内閣総理大臣菅直人氏の「脱原発」発言を支持し、「原発のない社会の実現」を日本国政府に誠心より要請致します。

 周知の通り、去る6月イタリアではベルルスコーニ内閣が推進してきた原発再導入政策が、国民投票という、直接かつ明確な民意の表明によって撤回されました。

 この結果が、本年3月11日に生じた東日本大震災の発生に伴う福島原発事故の知らせに大きく影響を受けたことは、当時見られたマスメディアの報道と、特に原発事故に対する市民の関心の高さから明らかであり、いかに福島原発事故がイタリアにおいても重要な意味を持ったのかが窺い知られます。

 イタリアの隣国スイス、および欧州連合きっての工業国ドイツにおいても、福島原発事故の発生を受け、市民参加による政策議論が高まりを見せ、最終的に政府決定による「脱原発」政策への舵が切られるに至りました。

 世界の国々で原発政策の是非が問い直される中、事故当事国である日本の選択に、海外の多くの人々が注目していることを、イタリアで生活する私たちは日々痛感しています。

 近年、世界的に日本の文化や社会、人々に対する興味関心が頓に増大し、日本に憧れ、日本に行ってみたい、住んでみたいと願うイタリア人も数多くいます。彼らが日本や日本人への愛情と尊敬の念を示してくれることに喜びを覚える一方で、現在の日本の状況や原発事故の影響、放射能汚染をめぐる安全性への不安から、

―日本に行っても大丈夫ですか?―

と聞かれる時、大切な友人をみすみす危険に曝したくないがゆえに、大丈夫ですよと答えることができないことに、日本人として、痛切な悲しみとやり切れなさを覚えずにはいられません。


 翻って、日本では福島原発事故後およそ2ヶ月が経過した5月はじめになって漸く、以前より耐震性や災害対策の不足が懸念されていた静岡県の浜岡原発が、政府通達により運転停止されました。しかし、それ以外の原発については、トラブルの発生や定期点検などの場合を除き、政府や電力会社の自主的判断による原発運転の見直しは行われていません。それどころか、必要な点検を早々に切り上げ、運転の再開を急ごうとする姿勢すら見られます。

 同様に、原発政策の是非を問う議論も、政府内部や国会内での本旨を見失った水掛け論の応酬は言うに及ばず、市民の声を集める役割を担うはずのマスメディアの報道においても、将来を見据えた脱原発への活発な動きや具体的な議論は軽視され、節電対策や景気への影響といった目前の副次的な問題ばかりがクローズアップされています。

 これらの状況は、政府から国民への必要で正確な情報提供の不足が一因になっていると思われますが、同じ状況は、原発是非論の焦点となるエネルギー問題についても見られます。

 原子力に替わる自然エネルギーの開発の必要性を万人が認めていながら、実際には、電気事業連合会の資料によると、日本の電源別発電電力量に占める地熱および新エネルギーの割合の実績は、ここ10年の間わずか1%に留まっており、2%に達するのは2019年の見通しとなっているのです。

 これは、日本が世界的な流れに逆行していることを如実に示しています。

 たとえば、太陽光発電の分野で2005年に世界の総発電量(1750MW)の47%を占めていた日本製品が、わずか4年後の2009年には総発電量(10000MW以上)の12%にまで落ち込んでしまったのは、このエネルギー源の需要が多くの国で飛躍的な成長を遂げているからにほかなりません。

 こうした中で、福島県は「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を基本理念に掲げた復興ビジョンを発表し、原発立地の一部やその他の自治体でも原発依存からの脱却や原発縮小への路を独自に探り、政府に国策としての自然エネルギー開発の加速を提言するところが続出しています。


 イタリアに住む私たちもまた、自分たちのかけがえのない家族や大勢の大切な友人、知人が生活する故郷(ホーム)日本の現状と将来を案ずる切迫した思いを抱くがゆえに、これらの「脱原発」の動きを全面的に支持します。

 日本は、ヒロシマとナガサキという、人類にとっての癒せぬ「原爆の深い傷」を負った世界で唯一の国として、今こそ、フクシマという厳しい現実と真摯に向き合い、これ以上のヒバクシャを出さない、未来の世代への責任ある選択をする倫理的な義務があるはずです。そして、その選択に必要な叡智と技術、勇気が、今日の日本にはあると信じます。

 私たちは、真に民意を反映した政策の実現を切に日本国政府に願う所存です。


 平成23年8月9日~平成24年3月11日

                                                         署名者一同
by Addionuke | 2012-05-26 14:46
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